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ふたつの心 〜 こころは複雑系 〜
カウンセリングをしていると、時折 「ふたつの心」「ふたつの気持ち」ということが、 とても大切なテーマになってくる時が あります。
ごく稀にですが、 初回から、そういったお話を 敢えて取り上げなくてはならないケースもあります。
わたしたちは いろいろな気持ちや感情を、抱えながら生きています。
互いに矛盾する気持ち ・ 感情だって 同時に抱えながら生きていることは ごく普通のことです。
むしろ、それが人間の自然な姿かもしれません。
互いに矛盾する気持ちというのは、たとえば 「 こうしてみたい 」「 あんなふうにやれたらいいな 」 と思っている心があると同時に、 「 そんなことはしたくない 」 「 あんなふうにはなりたくない 」 という心があったりします。
そのどちらかが本当の気持ちで、ではなく どたらも、本当の気持ちなのかもしれません。
だとすると、そのどちらの気持ち ・ 心も 認めてあげられるようになってゆくことが、 大事な一歩、かもしれません。
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たとえば或る人が 他人とうまく接することができない、と 悩んでいたとします。
もっと人と近しく付き合えるようになりたい ・ ・ ・ そうした思いがあったとします。
でも、わたしたちの中には「 ふたつの心 」があって、 互いに葛藤している場合があります。
たとえば、人との関係であれば、 人と近しくなる、親しくなる、というのは もちろん喜びも運んできてくれますが、 同時に煩わしさや我慢すること、 相手に合わせて譲らなくてはならないことだって 出てくるのが普通です。
そんな煩わしいこと、苦痛なことを 我慢しなければならないなら、 「いっそ距離を置いて人と接した方がいい」 と思う人だって 当然いらっしゃることでしょう。
人間にとって最も大きなストレス源は、人間だからです。
ふたつの心 ・ ふたつの気持ちの間で わたしたちは揺れ動いていることがあります。
そして、それを忘れがちです、というよりも 自身では自覚できてずにいること、 意識せずにいることも とても多いからです。
自覚できず、意識せずにいることによって、 それが二つの心の葛藤となって からだの症状として現われることさえあります。
誤った知識によって 誤解されていることがありますが、 ふたつの気持ちや心が 葛藤となって身体の症状に現れるのではありません。
それを自覚したり意識できずにいる中で、 葛藤が深くなってゆくのです。
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カウンセリングにいらっしゃった方が たとえば
「 わたしには●●●のところがあって、 どうしてそうなんだろうって自分で悩んできた。 そうしたところを変えていきたい、 どうにかしたい 」
そんな訴えをされたとします。
そんな時、もしかすると人生相談などでは、 ( ときにはカウンセリングでも ) 「 では、そうなる為に、こうしてみましょう 」 「 こうやってみましょう 」のような単純な対応に なってしまうかもしれません。
しかし、人の心や内面は複雑系の世界です。
お話や訴えを大切にお聴きしながら、 まずは、ご一緒に整理し理解してゆくことを 大切にしていきたいと思っています。
そうした中で、時折ですが 「 もしかすると自分は、そうしたい(なりたい)とは 思っていないのかもしれないですね 」 「 わたしは、本当に治り(直り)たいと 思っているのかなあ 」
そんなふうに、ご自分自身のもうひとつの気持ちに 気づいていかれる方が、いらっしゃいます。
実はここから、本当の意味での大切な一歩が 始まるのかも知れません。
たとえば、あるご相談者の方が こんなふうに語ってくださったことがあります 「 振り返ったとき、自分は本当に良くなりたい、 立ち直りたいと思っているのかと考えた時に、 良くなってしまうのがこわい、っていう気持ちがあって、 やっぱり心の底ではこのままでいたいと、 思っているんだと思います 」
もちろん、この方は 元気になってカウンセリングを終了されました。
このように、ご自分のもうひとつの気持ちを ご自分で語れるようになるということは、 心の成熟を、必要とすることでもあるからです。
遠回りのように見えるかもしれません。 でも、遠回りに思えて結局は一番の近道、ということは 案外多いものです。
「(心理的な意味での)遠回り 」が できる人か、あるいはできる状態か、そうでないか、 ということは、 カウンセリングに限らず、対人援助の場合には 成否を左右するような、 とても大切な事柄になります。
ですので、時には、面談を重ねながら 「 心の余裕 」を 少しずつ積み重ねてゆくことが 大切になってくるケースだってあります。
まずご一緒に整理しながら、ありのままに理解してゆく。 カウンセリングとは それが出来る場でありたい、と 思っています。
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