ストレス障害 〜震災後、首都圏でのストレス障害〜

急性ストレス障害・外傷後ストレス障害

*この文章の主な部分は、震災後数週間のあとに記したものです。

こんかいの東北関東大震災では、
首都圏(関東圏)に住んでいる人たちの中にも
「急性ストレス障害」(ASD)のにおちいる方たちが
多くいらっしゃいます。

急性ストレス障害(ASD)と
(外傷後)ストレス障害(PSD)の主な違いは、
ASDが、災害等に遭遇した直後から数週間つづく
「急性期」の反応・症状を指していうのに対して、
外傷後ストレス障害・PSDは
そうしたストレス症状・状態が
半年から一年以上の長期間にわたって続いている状態です。

(補)首都圏に住んでいた人たちの中にも、震災後一年近く過ぎても不安状態から抜けられずに、外傷後ストレス障害(PSD)の状態ある方たちも、まだたくさんいらっしゃいます。中には重い状態の方もいらっしゃるようです。
 こうしたPSDに苦しんでいる方たちの中には、もともと不安状況にとても刺戟を受けやすい状態にいた、動揺しやすい精神状態を持っていらした、という方たちもいらっしゃいます。

 

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(急性)ストレス障害の主な症状

イライラしやすくなったり、怒りっぽくなる。
気分が沈みがち、抑うつ的になるなど、
情緒が不安定になりやすい。

眠りが浅くなる、途中で目が覚める。寝つきが悪くなる。

風邪をひきやすくなる 疲れやすい
頭痛 肩凝り めまい 手足のしびれ感 手足の冷え
身体の不調感を感じる 等。

ベット(布団)から出られなくなる。
家にこもっていることが多くなる。
家から離れるのが不安。

仕事や家事などに以前のように集中できなくなる。
仕事の能率が落ちる。 ケアレスミスが増える。

なんとなく落ち着かない気分になる。
漠然とした不安感があって気分が重苦しい。
いつもならそんなふうにならないような事にも
不安感や恐怖感が引き起されるようになる。

飲酒の回数やアルコールの量が一時的に増える。 等々

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こんかいの地震は、揺れの激しさばかりでなく
揺れている時間もひどく長かったために、
首都圏でも、男性もそうですが特に女性の中には
パニック的な心理状態や激しい恐怖感に陥った人たちも
多かったのではないでしょうか。

こうした感情体験は
激しい生命恐怖感をもたらす場合があります。
しかし、それだけ(地震の揺れ)で終っていれば
その時だけのもので終っていたかもしれません。

直後からの交通機関のマヒ、余震の不安、生活の混乱、
そして昼夜を問わず洪水のように流され続けた
津波の惨状と被害映像 ・ ・ ・等々 。

こうした状況に晒されることで、
首都圏に暮らす人たちの中にも、
急性ストレス障害の状態を生むようになります。


■ お話をする場をもつ
ストレス障害の状態に陥っている場合には、
気持ちや思いを、ありのままにお話できる場を持つことが
とても大切になります。

メンタルケア、メンタルサポートの面からも、
それがなにより大切なことが明らかになっています。

そうして、まず心身の緊張を解いてゆくことが大切です。
カウンセリングがなにかお役に立てることも
あるかもしれません。
 

  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
  阪神淡路大震災を経験されている方

首都圏にお住まいの方の中にも、
阪神淡路大震災を経験されたり、
阪神淡路大震災の時に何かの被害に遭われた方たちも、
たくさんいらっしゃいます。

そうした方たちは、特に
こんかいの激しい地震と、引き続く混乱の中で
フラッシュバックを体験されたり、
精神的にとても動揺をきたしてしまったり、
辛い状態になった方たちが、大勢いらっしゃいます。

そうした方たちの中でも、ことに一人暮らしの方は、
辛く心細い状態に置かれたと思います。

「ベットから出られなくなってしまった」
「周りの人たちは、普段通りに仕事をしているのに、
 わたしだけが取り乱しているみたいで、
 自分が情けなくて、苦しかった」と
地震後の二週間の時期を語って下さった方も
いらっしゃいました。

 

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首都圏での急性ストレス障害の多くは
日常性が戻るにつれて、自然に回復していくものですが、
なかには、いろいろなに理由で、
長く尾を引いてしまう方もいらっしゃることでしょう。

人によっては、
身体症状化していくこともあるかもしれません。
身体症状化してゆく中で、パニックのような症状を
併発してゆくことも考えられます。

パニック発作のような状態があらわれてくると、
電車などのに乗ることが
こどく苦痛になってくる場合があります。

発症のきっかけに乗り物は関係していなくても、
パニック的な状態が継続してゆくにつれて
電車に乗ると、次第に動悸やめまい等が現われるようになり、
乗ることが困難になってくるケースは多いからです。
 

身体症状化の場合には、服薬だけしていても、
なかなか回復しないこともあり得ます。

しかも多剤服薬になると、
薬物によって症状が複雑化してゆくことがあります。
「薬物は病相を不安定にさせる」(市橋秀夫・精神科医)
「効果」があるからです。

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■ 日常性を取り戻す

急性ストレス障害の有無にかかわらず、精神衛生を保つためにも日常性を取り戻す、ということが、ひとつ大事なことです。

たとえば、「普段の生活の中でこうしているとホッとしていた」という行為や場所だったり、あるいは、自分がリラックス出来ていたこと。
普段から安心感を感じていた事柄や物、気分転換になっていた行為を思い出して、今までと変わらずそれをおこなうようにする、ということがとても大切です。

(補)外国人と接することの多い仕事をされていた方が、震災後二・三ヶ月後にあるコーヒーショップで休んでいたときに、隣で英語で話をしている声を耳にして、ふいに「気持ちが落ち着いてくるのを感じた」「日常性を取り戻すって、こういうことなんだと、そのとき思いました」と面談で語っていらしたことがあります。
震災直後から、原発事故のために周囲の外国人がみんな一斉に国に帰っていなくなっていた、とおっしゃっていました。

そういう意味では、たとえば職場の飲み会や仕事の打ち上げも、こんな時期だからと自粛したり、中止にする場合があると聞きますが、できれば形を小さくしてでも、変らずに行なうことが、むしろ良いかもしれません。

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急性ストレス障害と外傷後ストレス障害

ご存じのように、
大規模災害の被災者の方たちの中に、
災害からの復興が進んでも、なお
メンタル面の後遺症に苦しむ人たちのいることが
海外でのさまざまな調査によって明らかになりました。

阪神淡路大震災、北海道南西沖地震の際にも、
さまざまな報告がなされました。

そうしたメンタル面の後遺症は、
「外傷後ストレス障害・PSD」と呼ばれています。
(以前は、PTSDと略称されていました)

 

 

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