刺激とストレス 〜 刺激からみるストレス行動 〜

  

ストレス症状には、もっと強い刺激を求めることで
心身の緊張や不快な状態から
一時的に逃れようとするタイプがあります。
こうしたタイプのストレス症状を
ストレス行動、あるいは行動症状と呼びます。

わたしたちの誰もが、
その人なりのストレス症状を持ちながら、
この世を生き延びている、と云えるかもしれません。


ギャンブル依存や買い物依存と云われる行動も

その出発点には
こうしたストレス行動としての意味合いが
多くみられます。
(依存が形成されてからは、
 すべてが依存行動へつながっていきます)

いわゆるリストカットなども、
生理学的にみると
こうしたストレス行動のひとつです。

人の意識や感覚は、それ以上の強い刺激を受けると
前の不快感を一時的に忘れる、

という性質があるからです。

たとえば、足が痛くて歩くのがひどく苦痛な時でも、
なにかにビックリすると、
足の痛みを忘れて駆け出している。
そのあと落ち着いてくると、
また足の痛みがぶり返してくる。
こうした経験は、誰にも覚えがあるものです。


そのため、強い葛藤やストレスの中にいる方、
心のストレスを持ちやすい方、
ストレスや心の葛藤の強い方の場合には
より強い刺激を繰り返し求めて行動症状をあらわし、
依存的・嗜癖的になりやすい、
という場合があります。

ある女性が、
職場ですごくイヤなことがあったり
頭にきて我慢できなくなると、
トイレに入って「自分の腕を思いっ切りつねる」と
語っていたのを聞いたことがあります。
痛みにまぎれて、不快感が一時的に消えるようです。

その方なりの対処行動です。

激辛」食品の摂取なども
刺激を求めるストレス行動です。
神経学的には「辛さ」とは味覚(味)ではなく
痛み」の一種です。
 

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ギャンブル依存、買い物依存、恋愛依存、
ゲーム依存、セックス依存、運動依存、などは
保健行動学や生理学の立場からすると、
みな共通したものと云えそうです。


最近では、飲酒運転が社会的な問題として
扱われるようになってきましたが、
アルコールは緊張感や不安感を一時的に緩めてくれる、
不快な状態から、わたしたちを一時的に
解放してくれる作用があります。

たとえばアルコール依存を考える上で大事なのは、
アルコールがら抜け出すことは
申し上げるまでもなく、もちろん大切です。
しかし、そこで終っては
問題の解決にならないということです。

アルコールを飲まなくなってからが、
本当の意味での
回復への取り組みが始まるということです。

たとえば、
「とてもいい人」「とてもイイコ」であることが
問題の根を表現している場合もあります。
筆者の周囲にも、
病院での治療や自助グループなどで努力し、
アルコールから離れた方がいらっしゃいましたが、
その何年か後にガンを発症し
亡くなってゆきました。

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恋愛依存では、
熱い恋愛・情熱的な恋愛を感じているとき
わたしたちの脳の中では
恍惚感や興奮を引き起こす物質が
さかんに分泌されています。
でも、こうした分泌もやがては低下していきます。
ハイな状態もやがて終ってしまいます。

熱中する恋愛、夢中になる恋愛を
いつも必要としている女性や男性とは、
生理学的にみると、薬物依存のような状態にある、
とも云えるかもしれません。
それはもしかすると、
心のストレスの深さのサインかも知れません。


ラットに強いストレスをかける実験では、
ストレスをかけたラット同士を
ケンカさせるか、
噛み棒を与えてガリガリ噛ませると
ストレスの程度が一時的に低下するそうです。

強い歯ぎしりがストレス症状であることも
これでよくお分かりになると思います。
「歯を食いしばって頑張る」という言葉もあります。

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たんに目に見えるストレス症状だけを
取り去ろうとしても、
モグラ叩きになりがちです。

何故なら、出さなければならないものがあるから
身体で(身体症状)、
心で(心理症状)、
行動で(行動症状)、出している、ということです。

目に見える「症状」だけを目標していたのでは、
別の代償行動(反応)を誘発することになりがちです。

 

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