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過敏性腸症候群(IBS)について
IBSと腰痛 逆流性食道炎との関係 自律神経症状
過敏性腸症候群は、たとえば 「 ストレス・緊張性の頭痛 」と同じくらいか、 それ以上に、とても多くの人に見られるものです。
現代の神経症と云えるかもしれません。
過敏性腸症候群は 腸自体には、とくに病変・疾患などは見られず、 主にその働きに失調・乱れがみられるものです。
・ ・ ・ 腸の運動機能は身体的な疲労や、不安・緊張・恐怖などの心理的刺戟によって容易に変化します。授業中や通勤通学途中の電車などで、急な腹痛・下痢症状で悩む人は少なくありません ・ ・ ・ 苅部正巳(心療内科)
過敏性腸症候群では 下痢や便秘などがあるばかりでなく、 下腹部に重苦しい圧迫感・圧迫痛を感じたり、 下腹部を押すと、鈍い圧迫感があったりします。
自律神経系の過剰な亢進・緊張が、 大腸の筋肉に伝わって、大腸が局所的にひどく収縮したり、痙攣(けいれん)的な動が生じているからです。
時によっては、食事の後だとか、緊張した時などに、 下腹部(大腸)のあたりにキリキリ締め付けられるような圧迫痛が起こり、同時に急な便意に襲われる、ということもあります。
便意を無理に我慢していると、キリキリした締め付けられる痛みが、一層強まります。
ただ、必ずしも そうした痛みや圧迫痛のないケースもあります。
自律神経系( 交感神経・副交感神経 )の神経の先端は、 腸の神経系にも枝を伸ばして接していて、 自律神経からの強い刺戟が引きがねとなって、 大腸の動きや働きに、影響を与えることになります。
むかしは、興奮性結腸などとも呼ばれていました。 大腸の多く部分は 解剖学的には「結腸」と呼ばれています。
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誤解されることがありますが、 食事をとった後に便意をもよおしてくる、こと自体は 消化器系のむしろ正常で自然な動きです。
ですから、ちいさな子どもなどは (腸が短いこともあって) 時間をかけてご飯を食べているときに、 途中でウンチをしたくなったりします。
成長していくにつれ、大人になっていくにつれて、 精神的な緊張だとか 外で便意を我慢する生活習慣が続く中で 自然な消化器の動きが抑制されるようになります。
消化器系(食道・胃・胆嚢・十二指腸・大腸)は 連携して動き働いているので 食べ物が胃に入ってきて、胃の運動が活発になると 腸も活動に動きはじめます。
ただし、そこで出てくる便が固形のものでなく、 粥(かゆ)状だったり、下痢状になっている時には 大腸が過敏状態になっているあらわれです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 他の自律神経症状・ストレス症状の併発
過敏性腸症候群は 心理 ・ 精神的な情動ストレスが 自律神経に影響を及ぼして、 自律神経系に過度な興奮・亢進が生じることで それが 大腸の神経系に伝わって、 大腸に過敏な動きが生じるものです。
したがって、背景には 自律神経系を過度に亢進させるような なんらかの心理的 ・ 情動的なストレス・葛藤が、 慢性的にか一時的にか、存在していることになります。
そのため、そうしたストレスの程度によっては、 過敏性腸症候群だけでなく、 他の自律神経症状やストレス症状を 併発することになります。
あるいは、いろいろな自律神経症状やストレス症状を 交替であらわしているような人も、見られます。
たとえば、下痢をしていると頭痛がおさまっていたり。 頭痛が出ているときには 腰痛が消えたりという具合に。
こうした状態を「 マーチ 」と呼んでいます。
・ ・ ・ 過敏性腸症候群の患者は、頭痛、動悸、等々の多彩な身体症状、抑うつ感、不安感、不眠、焦燥感などの精神症状をもつことも多い ・ ・ ・ 「自律神経学 2007年」
過敏性腸症候群をはじめとする心身症、神経症などは、心理的なケアがとても大切になる病態です。 カウンセリングもその一つです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 腰痛との関連
過敏性腸症候群を持つ人の中には、 腰の重さや腰痛を自覚するケースも多いようです。
上でも触れているように、 自律神経系の亢進 ・ 緊張によって 大腸の筋肉に、過度な収縮や痙攣的な動きが生じ、 大腸に鈍い内臓痛が生まれます。
それが「 関連痛 」として 腰部に出てくることになります。
たとえば、胃や膵臓の具合が悪くなると、 その裏側の背中の中央部あたりに 圧迫感や重さ ・ 鈍い痛みを感じるようになります。
これも関連痛です。 こうしたことをご存じないと、 背中のコリや筋肉痛と勘違いするケースがあります。
胃の調子が悪いのです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 細く分類ばかりしても、余り意味がない
過敏性腸症候群には、「下痢型」「便秘型」「下痢・便秘を繰返す型」「ガス型」などが見られると云います。
しかし、こうした細かな分類には余り意味がありません。 分類をいくら細くしても、患者さんへの本質的な貢献などありません。過敏性腸症候群の場合には、要するに、自律神経系の影響による、大腸(消化器系)の働きの失調・乱れということです。
■ 消化器は連携して動いている ・ ・ ・
消化器系(食道・胃・胆嚢・腸など)は 全体で連携して動いてます。
したがって大腸の動きが過敏になっているということは、他の消化器官の動きや働きにも、程度の差こそあれ、乱れがみられます。
胃や食道にも、それは及んでいます。 胃もたれ、胃の消化不良などが、みられます。
食道の筋肉も、不安定な動きがみられるために、胃液が食道に逆流してくることになって、「 胸焼け 」などが起きてきます。 そのため、みぞうちの周辺が、カッと焼けるような感覚に 襲われたりします。
こうした意味で、逆流性食道炎 は 過敏性腸症候群と密接な関係にあるものです。
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過敏性腸症候群を自覚されるような時には、 可能な場合には、食事と食事の間隔を、 きちんと5時間くらいとることも大切です。
食事の「量」や食べた物の「種類」にもよりますが、 通常の食事量の場合には、胃からすべて送り出されるまでに、 おおよそ5時間前後かかると云われています。
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すでに欧米では、1800年代のはじめ頃から、 心理的・精神的な要因によって 胃腸の働きに異常がおこることが知られていました。
通勤途中で便意を催して電車を降りざるを得なくなり 会社に遅刻してしまった、というお話を お聞きすることがあります。 あるいは、常にそうした心配や不安を抱えている方は とても多いようです。
上記のようなケースは「下痢型」とされるものですが、 実際には、過敏性腸症候群では、 むしろ「便秘型」の人が多くなります。
あるご相談者(便秘型)の方が 「わたしは下痢タイプじゃないので、 通勤途中でトイレに駆け込む心配がなくてよかった」 とおっしゃったことがあります。
たしかに、そうおっしゃる気持ちは分かります。 しかし、心身の面からみたときには 下痢の方がはるかに「健康補助的」なものです。 便秘は、心身の健康面からは なにも良いところがない、と云えるのです。
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