佐田 美香子さん(仮名)42歳
カウンセリングを経験して感じたもの、ということで 書いてみたいと思います。
私は二人の子どもの母親をしていますが、 二人が二人とも、不登校になりました。
いまから振り返ると、それは 「 お母さんの生き方はそれでいいの?」という 子どもの叫びだったような気がしています。
私は、近所の人に勧められて、 初めてカウンセリングというところへ伺いました。
それ迄も不登校の子どもを支援するグループや いろいろな所に参加していましたが、 カウンセリングへ行ってみて、 私なりに、なにか感じがものがあったのかもしれません。 続けてみることしました。
月に1度か2度くらい通いながら 考えたことだとか、気づいたこと、思いついたことを 先生に話していくのですが、
そうしているうちに段々と、 「 私って、こういうところがあったのかしら 」とか、 「 もしかすると、こんな気持ちでいたのかも 」などと 自分というものが、見えてくるような気がしました。
私の母は、厳しい両親に育てられた人でした。 そして結婚してからは きつい性格の姑の下で、嫁として 抑えつけられるような生活をしていました。
母の人生を考えると、 母は「 自分 」をしていなかった ・ ・ ・。
それは私と重なります。 だから「 母はかわいそう 」という気持ちが、 いつも私の中にあったのです。
父も事情があって、家族から引き離され 乳母によって育てられた人でした。
私の両親は二人とも、家庭の暖かさというものを 知らずに育ったのではないかと思います。
私は人からよく「 あたたかい人、やさしい人 」と 言われていたのですが、 本当のあたたかさというものを、知りませんでした。 でも最近、やっとわかってきたような気がします。
私は疎外感がとても強くて、いつも孤独でした。
中学生のときに、星の観察で夜空を見上げるのですが、 夜空の真っ暗な広がりが怖くて、 見ていられなかったのです。
でもそれが、二・三日前でしたか、 下の子どもと二人で夜空を見上げたときには、 少しも怖いと思いませんでした。 自分が、とっても変ってきたんだなと思います。
母親と子どもは、 なにか表と裏の関係のような気がします。
子どもは、お母さんはもう大丈夫だな、と分かって 外の世界を求めて、動き出したのではないでしょうか。
これからは言葉や形でなく、何となく伝わってくる気持ちを 大切にしたいと思っています。
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