「 ほとりの泉 」という薄くて小さな小冊子があります。

会員の方たちの手記や詩などが掲載されています。
わたしの手元にあるものは15年くらい前(2000年の時点)のものです。
この小冊子の中に、「 光(匿名)」という人の書いた「うさん臭い癒し・香り高い癒し」という文章があります。
読んでいて、とても胸の痛む思いがしました。

自戒の意味もこめて、一部を引用させていただくことにしました。
●●の部分は、こちらの判断で伏せ字にしています。


うさん臭い「癒し」・香り高い「癒し」

「 ●●の体験を癒す 」すごいフレーズを時々耳にする。
前は期待と喜びで目をキラキラさせて聞いていた言葉。
何かの魔法があって、お約束のいくつかをこなせば、ご褒美としてカウンセラーから貰えるものだと思っていた。だから必死になってカウンセラーの指示や要求に従ってきた。
「 〜の話をすると癒される 」「 〜のワークがあなたには必要 」。
癒されたい、という必死の思いで、受けてきた数々のワーク。ワークをすることで、●●の体験がなくなるのではないかと錯覚に落ち、話したくないカウンセラーの質問にも無理に答えて、がむしゃらに無我夢中で受けてきた。
ワークをすることが癒されることだと思い込んでいた。ワーク中毒で、ワークをしないと不安になっていった。何かおかしい。
「 感情を出して! 」カウンセラーの言葉に突然と引き裂かれた私の心。バランスを崩しバラバラになっていく私に気づかなかったカウンセラーは、私を持て余していった。
心理療法という名目で、カウンセラーという看板で、人の心を開き、無造作に扱われた怒り。残念な体験。まさに●●関係を繰り返した。

「 ●●の体験を癒す 」なんていう看板を見つけたら、気をつけて。
もしかしたら親以上に多くのことを要求されて、あげくの果てに癒されないことを怒られるかもしれない。
癒しは、技術や知識から成るものではない。人に指示されて行なうものでもない。一方的な関係の中からは生まれない。愛情深い交流のなかにこそ感じる。
「 あなたのために 」という名目で傷つけるのなら、放っておいて。

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